「最近、乗ってる?」

自転車クソブログ

LAPIERRE エアコード MCP300 2015 レビュー

今風な一言でいえば「マイルドなエアロロード」。
しかし真価はそれ以上である。



いくら検索しても個人レビューが見当たらないため記す。

2015年製フレームで入手は難しいかもしれないが、歴史の一編としてとらえてもらえれば幸いである。


購入から2年が経ちヒルクライム、ロードレース、ロングライド、サイクリングのすべてをこれでこなしててきた。
非常に自分とのシンクロ率は高くあらかじめ好印象を持っていること、私は170cm, 56kgで上り下りと長距離が得意でスプリントやクリテが苦手な人間であるという前提でインプレッションする。



自分にとって初めてのカーボンロードバイクであり、試乗したカーボンロードは少ないかもしれないが、それらとの差について琴線に触れるものがあり良い経験をしたと思う。


ブランドストーリー

1946年創業の、フランスの老舗バイクブランド。オランダのアクセルグループの一員で、年間生産台数は9万台を誇る。世界トップクラスの選手を多くサポートし、実践のテスト結果から得られる情報を元に、最先端のテクノロジーを駆使して製品作りを行っている。MTBにいたっては、ワールドカップダウンヒルで10回も金メダルを獲得したニコラ・ブイヨが開発に加わり、オリジナルDHバイクをリリースしている。ROAD、DH、4X、XCとジャンルを問わずトップ選手を輩出しているブランドは他には見当たらない。
(https://www.cyclowired.jp/news/node/19321 より引用)2009/10/6




拠点はフランスのディジョン。マスタードが有名な街だ。
自社工場と研究開発拠点と本部を持ち、代々家族が社長となっている。


現在UCIワールドチームであるグルパマ・エフデジ(Groupama-FDJ)、旧FDJ(フランセーズデジュー:フランス宝くじ公社)、フランスの為のフランスによるフランスのチームに採用されている。
(https://www.jsports.co.jp/cycle/teamlist/fdj.html)参照



製品ラインナップ

代理店は東商会が執り行っており、HPに行けばそのラインナップを知ることができる。
製品ごとの方向性は非常にわかりやすい。


・エアコード=エアロロード
・ゼリウス=オールラウンド
・パルシウム=エンデュランス
・センシウム=コンフォート
・アウダシオ=エントリー


更にそれぞれ最上位、中間、下位に分かれておりついている数字がおおきくなればなるほど上位であり、ULTIMATEが最上位にあたる。



経過

ここから自分が購入したエアコード2015について話します。
2015年のエアコード3モデルの中で、エアロロードは下位のエントリーグレードでにあたる。
価格は定価32万円が17万円と安価なカーボンロードを探していた自分にとってはうってつけだった。(いわゆる東商会の投げ売り)
そこから自分の持っているパーツで一通り組上げた。
5800の105と6800のアルテグラがメイン。


初期装備
ハンドル:DEDA ZERO100 420mm
ステム:ritchey 4axis 100mm
シートポスト:ritchey WCS Φ31.6mm
ペダル:SHIMANO PD-6800
レバー:SHIMANO ST-6800
ブレーキ:SHIMANO BR-6800(フロントのみDM) 
FD:SHIMANO FD-5800
RD:SHIMANO RD-5800
クランク:SHIMANO FC-5800 50-34T 170mm
スプロケット:SHIMANO アルテグラ 11-28T
チェーン:SHIMANO CN-9000
ワイヤーセット:SHIMANO純正
ホイールセット:FULCRUM racing 5LG 
前後タイヤ:Panasonic tourer plus 26C



今見るとこれで走ってたのが恐ろしいくらい重い。


まず漕ぎだしの軽さに驚いた!スイっと入ってグイっと進む。
BB剛性が高いのとチェーンステーの太さに起因すると感じた。


振動は減衰って表現が一番かな。拾うけどマイルドになっている。これはシーとチューブとシートステーだと思った。
トータルでいい意味で予想を裏切られ、非常に今後が楽しみなバイクになった。



その後はレースに出ることが多くなったのでまずはホイールをいろいろ変更した。


①レーゼロ CULT


②GOKISO GD2


③ DURA-ACE9000 C50

現装備
ハンドル:DEDA ZERO100 420mm
ステム:ritchey 4axis 100mm
シートポスト:ritchey WCS Φ31.6mm
ペダル:SHIMANO PD-6800
レバー:SHIMANO ST-6800
ブレーキ:SHIMANO BR-6800(フロントのみDM)
FD:SHIMANO FD-8000
RD:SHIMANO RD-9100
クランク:SHIMANO FC-9100 52-36T 170mm
パワーメーター:パイオニアペダリングモニター
スプロケット:SHIMANO CS-9100 11-28T
チェーン:SHIMANO CN-HG901
ワイヤーセット:SHIMANO PTFE
ホイールセット:SHIMANO DURA-ACE 9000 C50 TU  
前後タイヤ:Continental competition 25C





「乗り心地が良く、脚が残り、振りが軽い」

さて何から話そうか。


見た目はエアロロードらしからず扁平な構造はあまり見られない。
しかし、これが乗ってみると空気を切り裂いて走っている感覚を覚える。
おそらくフロントにおける整流化が非常によく機能していると思われる。


インテグラルヘッド、ブレーキのダイレクトマウント、ヘッドチューブの翼断面化、ダウンチューブのカムテール形状、シートチューブのくり抜きがうまくバランスをとっているのだろう。



乗り心地が良いというのはトップチューブの独特な捻じれ構造やシートステーの弓なり形状のおかげでカチカチな乗り味ではなくマイルドでずっと乗っていたいレベルの良さである。


脚が残るというのは、このカーボン素材の強度によるものだろう。
ラピエールは同じラインナップのカーボンフレームでもその強度や巻き方を変えることで乗り味が異なる。
ULTIMATEシリーズに試乗して感じたのだが、このエアコード300はかなり乗り心地が良い。
上位は固すぎて地面の突き上げが痛いことや剛性の感覚が合わず乗っていられなかった。
自分はそういうのに乗るとひどく疲れることが分かったのと、今となっては当たり前だが一口にカーボンロードといってもまったく乗り味が違うことが実感できた。



では、柔らかいということは反応性が悪いのか、ヒルクライムの際にもっさり感が出ないのかと疑問に思うかもしれないが、自分はそう感じなかった。
なぜならそれはBBが非常に優秀だからだろう。


ここでフレームセットの写真を見てほしい。

3倍速い?LAPIERRE(ラピエール) AIRCODE 300(エアコード) | THE RED BICYCLES ONOMICHIより抜粋


他にはない圧倒的なBBボリュームがペダルからの力を逃さない。
そしてBB86というプレスフィットだからこそダイレクトな剛性感を表現するに至ったのだろう。なのでダンシング時に一段伸びて、もがいても素直にスピードに変換してくれる。



フレーム単体重量1200gと一般的なエアロロードの重量であるが、もしこれがスレッド式であったなら更なる重量増は免れず、ペダリングには腰砕け感が出てしまっていただろう。


振りが軽いと思ったのはストレートフォークであるのと、インテグラルヘッドでフォーク自体が短くなったこと、そしておそらくフォーク剛性がかなり高いのではないかと思う。
走っていてハンドルへの振動はかなり拾う。
この辺りはチューブレス化やポリウレタンバーテープの導入によりかなり軽減された。
この振動はコツコツではなく、太い棒が振動するような印象だ(エロい)



欠点

ヘッドキャップが厚くて深いポジションを取りにくいかもしれない。
プロ選手やいろんな方のバイクではこれがとられてドン付きになっていることが多々見受けられた。


リア変速に至るハンドル回りのワイヤリングが良くない。リアエンドのかなり近い部分からワイヤーが伸びているのでR8000以上のリアメカでないと輪行時にワイヤーが飛び出てしまいトラブルの元となる。
以降はよりBB側にケーブルの出る穴があるのでかなりスッキリとして、無理のないわイヤリングで変速がスムーズだった。
この問題を解決するにさっさと無線化してしまいたい。




まとめ

初めてのカーボンロードはラピエールエアコード300で非常に満足している。
硬すぎず足が残り乗り心地がよく様々なシーンでもこなせるスーパーマシンだ。


これを機にいろんなカーボンロードに敏感になった。
設計思想やジオメトリ、こだわりの構造からどんなバイクか想像するのが面白い。
ホイールやコンポアッセンブルも非常に楽しみが広がる。


今後はヒルクライムの為の軽量化と夏にロングライドをするのでそれに向けた機材変更を検討しようと思う。


終わり。

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